ぱぽログ

Eat, Sleep, Rave, Repeat

北京にはじめて行ったら軽く異世界だった話①

先日、乗り継ぎのため北京で20時間ストップオーバーする機会があり、なかなか面白かったので書いておく。

 

まず使ったのはエアチャイナ。

乗り継ぎで "日付をまたぐ" などの条件を満たすと無料でトランジットホテルを用意してくれる。

そもそも北京にはさして興味はなかったのだが、まあホテルは無料だし、自分から行くことは一生ないだろうし…ということで観光することに。

 

朝5時に北京首都国際空港につくと、もう既に異様な雰囲気である。

まずバカでかいラグジュアリーな空港のそこら中に、カメラがある。

中国と言えばマイクやカメラによる監視が…ということでかなりビビっていたのだが、もはや隠す気もない。

というかむしろ見せることで統制しているのだろう。

そして窓から見える外の景色がかすんでいる。これは黄砂とか大気汚染によるものだ。

 

雰囲気がめちゃくちゃ怖い上に全然英語が通じない職員に尋問され、写真を取られ、指紋も取られた上、やっと入国となった。

 

かっこいいのにガランとしている無人操縦モノレール(?)に乗り、ターミナル間を移動。

まっすぐ伸びる線路、その左右にそびえ立つターミナルビル、
そして朝陽に照らされるオレンジ色のスモッグという、ドゥニ・ヴィルヌーヴみのある情景。

 

ビビりすぎて移動中は一枚も写真を撮らなかった(画像は検索したもの)

お目当てのターミナルに着き、なんとかホテルシャトルバスを手配することに成功。

「30分で来るよ」と言われたのでそのへんのベンチに座って待つことに。

ていうか空港なのに、さっきから全然英語通じないのは何なの。

 

そういえば中国本土ではGoogle、Twittter、Instaなど、普段使ってるサービスが軒並み使えなくなる。

上陸する前に専用のアプリとかVPNを入れておくべきだったが、全然準備していなかった。

それに加え、そもそも北京空港のWiFiにどうやってもつながらず、二重の意味で詰んでいる。

しかし今回はどうせ20時間しかいないし…と思って、現地のSIMカードとかを買うことはしなかった。

なまじ旅慣れしているせいで、だいぶ適当である。

 

 

バスを待つ間に、空港内に "観光案内所" と書かれたカウンターがあったため行ってみた。

ニコニコした人の良さそうなおじさんが対応してくれる。

地図をもらえないか聞いてみると、「何語が良いですか?あなた日本人?あ、でも日本語は切れてるや」とかガサガサやりながら、英語版の北京マップをくれた。

ちなみにこれがかなり出来が良くて、無料でもらうにはちょっと気が引けるような装丁である。

 

このマップは北京で唯一のおみやげとなるのであった

 

「どこに行く予定?」と聞かれたので、「故宮とか」と適当に言うと、「あ~~故宮は1日前に予約が必要なんだよね」と教えてくれた。

おじさんによると、その場合は故宮の横にある湖に行ってから、景山公園という丘に登って故宮を眺めるのがおススメルートということだ。

夜の飛行機までしか滞在できないことや、ホテルの場所なども加味していろいろアドバイスしてくれた。

 

おじさんのホスピタリティに感動しつつ、同行者と共にその場を離れようとすると、「ちょっとまって!」と言いカメラを取り出し、

そしてニコニコの笑顔で「一緒に写真を撮っても良いですか?」と聞いてきた。

 

(――え?なぜ?何に使うんだそれ?)という疑問が一瞬よぎり、顔が硬直する。

我々が居るのは北京。

至る所に監視カメラと盗聴器が設置され、不用意な行動をとれば外国人にも厳しい罰則が科せられる世界。

 

おじさんは「私がちゃんと仕事したってことを上司に報告したくって」とウキウキ気味に言うが、

我々は("上司" ってそれ政府関係者じゃないのか?というか空港で働いてる時点でみんな政府関係者だよな多分…)とか勘ぐり、不穏な雰囲気になっていた。

ただ、ここで断ると逆に怪しまれそうなところまで来ていたため、しょうがなく応じることに。

おじさんは嬉しそうだったが、多分我々の笑顔は引きつっていたことだろう。

 

そんなことをしていたらなんだかんだで1時間たっていた。

30分でバス来るんじゃないのかよ。

 

こうして空港の時点でだいぶビビらされたまま、次はホテルへ向かうことに…

【次の記事へ続く】